この記事では、2022年発売の海外製IIDXコントローラー「PHOENIXWAN+」のレビューをお届けします。
INFINITASやBMS用のコントローラーを探しているなら、今は正直これ一択です。
旧型との違い
忙しい人のために、旧型フェニワン(2021年10月1日版以前)からの主な変更点をまとめると以下の通り。
- ケーブルが着脱式に
- パネル・皿ステッカーのデザインが変更
- オーディオライト部分の金属パーツが錆びにくい素材に
- アクリル下の硬質紙を着脱・交換可能(痛コンが作れる!)
- ターンテーブルの最大感度が上昇(3/288→1/288)
旧型を持っている人は、わざわざ買い替えるほどでもない変更かなと言う感じ。公式から旧型向けの交換用キットも販売されているので、自分で交換できる人はこちらを検討してみてもいいでしょう。
購入から開封・外観チェックまで
今回はGAMO2日本公式で購入しました。カスタマイズはすべてデフォルトで、購入価格は39,800円(税込)でした。
購入してから自宅に届くまでの流れは以下のような感じです。
- 7月3日 注文
- 7月11日 出荷通知
- 7月19日 国際交換局に到着。税関で引っかかる。
- 7月22日 税関からはがきが届く
- 7月25日 税関にはがきと購入明細を郵送
- 7月28日 自宅に到着
前回旧型を購入したときは2週間ほどで届きましたが、今回は税関に引っかかって少し届くのが遅れました。
税関に引っかかった件については後ほど触れます。通常納期では、注文から到着まで2週間~1ヶ月程度見込んでおくと良いでしょう。
開封・外観チェック
ダンボールと化粧箱の手厚い2重梱包で到着しますが、中国の配送業者を舐めてはいけません。ダンボールは当然ボコボコでした。
化粧箱も、不安になる程度に破損してました。
化粧箱の中は発泡スチロールで守られていますが、安心できません。
いざ対面。どうやら本体は無事のようです。運が悪いと配送中にアクリルや本体が割れたりすることもあるそうなので、届いたら早めに開封チェックしておきましょう。
外観仕様は旧型と大きく変わりませんが、パネルのデザインが変更になっています。個人的には旧型のほうがシンプルで好きですが、皿ステッカーは新デザインのほうが好きですね。
また、中央のメッシュパーツ(オーディオライト部分)が錆びにくい素材に変更されたそうです。交換用パーツは以下で購入できます。
ボタンは1つずつビニールのようなもので保護されています。
アクリル部分にのり跡のようなものが多数付着していました。ヒビ割れや取れない汚れじゃないだけマシですが、こういうところは中華製品ぽいなと感じました。
また、コンパネ部分のアクリル下に髪の毛のようなものが混入していました。これは除去するのがちょっと面倒そうです。
総じてビルドクオリティは良いんですが、やはり全体的に汚れやゴミが目立ちますね。
鍵盤・皿の使用感チェック
DAOボタン、かなり良い感じです
今回、鍵盤ボタン・スイッチは、デフォルトの最も安い組み合わせ(DJ DAOボタン+Honeywell製スイッチ+40gバネ)で購入しました。(前回は三和ボタン+オムロンスイッチ)
気に入らなかったら三和ボタンとオムロンスイッチに即交換しようと考えていましたが、軽くテストプレイしてみた感触はかなり良かったので、しばらくはこのまま使ってみることにします。
DAOボタンのほうが少しだけストロークが深いらしいですが、三和かDAOか、隠してプレイしたら当てるのは難しいです。
受け皿部分(上記画像右側)にゴム板などを敷くことによって、静音化+ストローク調整できるので実はDAOボタンのほうが良い説まであります。
バネ(40g)・スイッチ(0.15N)はライトニングモデルの基本仕様(50g/0.49N)よりは少し軽めですが、しっかりと反発力があって縦連も押しやすく、非常にプレイしやすいです。
HONEYWELL製スイッチは若干クリック音が大きい感じがしたので、気になる方はスイッチだけオムロン製(D2MV-01-1C3)を選択するのも全然アリだと思います。
余談ですけど、CastHour以降のライトニングモデルでは同じオムロン製の「VX-01-1C23」が採用されてるみたいですね。押下圧は同じ0.49Nですがクリック感が少し違うみたいです。
在庫がなかったらVX-01-1A3でも代用可能。こちらは端子の穴の大きさが違うだけで、問題なく使用できます。
50gバネは楽天市場の三和電子公式で購入可能です。
皿は旧型との違い分からず
皿は旧型と同じく、ゴムとビニールをあわせたような、グリップ性能が高い素材でできています。
ライトニングモデルやEMP皿とは違いますが、滑りにくく、快適にプレイできるので自分はこのまま使用する予定です。
2017年〜2021年の間に積み重ねてきたノウハウを活かし、製造工程にさらなる改良を加えた結果、よりなめらかな手触りを実現しています。
PHOENIXWAN+
公式には上記のように書かれていますが、使用してみた感じ、旧型との違いは分かりませんでした。
旧型と変わらず、ほこりや汚れ、指紋が目立ちやすいのが欠点ですね。
接続方法・動作チェック
PHOENIXWAN+はUSB接続にのみ対応しています。旧型と違って、直接PS2には接続できません。
PS2版の家庭用旧作をプレイするには、別売のコンバーター「BE2PS」が必要です。
本体裏側
本体裏側には、ケーブルを収納するためのスペースと、サイドを入れ替えるためのボタンが付いています。収納スペースの蓋には、モード変更などの説明が記載。
蓋をあけるとこんな感じ。今回の新型はメインケーブルも着脱可能になっています。旧型はケーブル取り外せなかった気がするので、こちらは良い改善点ですね。
PHOENIX WAN+には4本のケーブルが付属しています。
- USB-A ⇔ USB-Cケーブル(LED電源供給用)
- USB-A ⇔ USB-Bケーブル(PC接続用)
- ステレオ音声ケーブル
- オーディオ分配ケーブル
USBケーブルはいずれもUGREEN製で、長さは2mほどです。PC接続用のほうが若干ケーブルが太いので、一応見分けは付くと思います。
接続端子は画像左(USB-A)がPC接続用で、右(USB-C)がターンテーブルのLED電源供給用になっています。LED電源供給用の方は繋がなくても、プレイ自体は可能です。
また、LED電源供給用はPCではなく、スマホの充電器などに繋いで代用できます。
ケーブルを2本ともつなぐと、皿のLEDがきれいに光ります。
PC接続用のみ接続した場合、皿のLEDは光ませんがプレイ自体は可能です。鍵盤の光が弱くなるとかそういうこともありませんでした。
カスタマイズ・メンテ
1P/2Pサイド変更
PHOENIX WAN+のサイド変更、メンテは超簡単。本体裏側のボタンを押すと、コンパネ部分が若干浮くようになっています。旧型も同じ構造でしたね。
ガバッと開けてクルッと回せば完了です。ケーブルを引っ掛けて断線させたりしないように気をつけましょう。
コンパネ部分はマグネットでくっつくようになっています。
マイクロスイッチはすべて、スイッチ付きの取り外しやすい端子で接続されており、工具不要でマイクロスイッチの入れ替えができるようになっています。
コンパネ部分の色・デザイン変更
ボタンをすべて取り外すと、アクリル下の銀紙を外してダーク調にしたり、イラストを挟んで痛コンにしたりできます。
戻す時、どのスイッチがどのボタンか分からなくなったら以下の画像を参考にしてください。
コンパネ部分は本体(プラスチック)→金属板(黒)→紙(銀色)→透明アクリルという順で重なっています。金属板とアクリルは抜くと打鍵感に影響しそうです。
寸法図が公式サイトにアップされているので、オリジナルのデザインを作成したい人はこちらを利用しましょう。
※コンパネ部分のデザインはアクリルに印刷されているので消せません。
銀紙を外すと少しダークな雰囲気に。これはこれでアリな気がします。
皿部分の分解は今回面倒だったので省略します。皿部分も含めたパネル交換手順については、公式で解説されているので、以下を参考にしてみてください。
良い点・気になった点
購入から開封、テストプレイまでのなかで、今回のPHOENIX WAN+について良いと思った点、気になった点は以下のとおりです。
- アーケードとほぼ同じプレイ感
- DAOボタンの品質・コスパが良い
- ケーブルが着脱式になった
- 基本的にいつでも購入できる
- 打鍵音が大きく、静音化は必須
- 発送・梱包は中華クオリティ
- 税関に引っかかることがある
デフォルトのボタン/バネ/スイッチが予想外に良かった
もちろんプロを目指すとか、そういうレベルなら50gバネやスイッチにこだわった方がいいんですけど、ほとんどのプレイヤーはデフォルトのカスタマイズで満足できるはず。
僕自身、結構バネとかスイッチにはこだわるタイプの筐体ソムリエプレイヤーなんですが、今回はあえてカスタマイズせずに「DAOボタンがどんなもんか見てやろう」って気持ちで購入しました。
結果「三和ボタンとどこが違うの?」ってレベルでDAOボタンのクオリティが高く「これ別に交換しなくても良いな」と。(スイッチは静音化ついでにすぐ交換するかもですが)
バネ交換・スイッチ交換も工具不要で簡単にできるので、基本カスタマイズなしで購入して大丈夫です。
ケーブルが着脱式に
旧型からの変更点として、PS2用の端子がなくなり、ケーブルが着脱式になりました。これは個人的には良い改善点だと思ってます。
着脱式になったことで、断線してしまった場合や、ケーブルの長さが足りないときなどに市販品で代用できますし、取り回しもしやすくなりました。
皿とオーディオライトのLEDが不要なら、USB1本で接続できるのも良いですね。PS2端子を切り捨て、別売りのコンバーターで対応したのは良い判断だと思います。
いつでも購入できる
近年はコナミ公式からもエントリーモデルや、プロフェッショナルモデルが発売されましたが、執筆時点ではいずれも販売終了。メルカリでは定価より高いプレミア価格での取引も見られます。
PHOENIX WAN+のいいところが、大体いつでも在庫があって、安定して購入できる点です。
円安の影響で多少値上がりしましたが、それでも5万円を切る価格でアーケードに近いプレイ感覚が得られるのは素晴らしいと思います。
打鍵音は結構うるさい。静音化は必須レベル
フェニワンは海外コンの中では静かな方だと思いますが、DAOボタンでも三和ボタンでもやはりそれなりの音はします。
集合住宅だと静音化は必須かつプレイする時間帯も考慮したほうが良いレベルですね。
静音化については以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
配送事故が怖い
後述の税関引っかかる問題も含め、中国からの国際配送が一番ネックなのは間違いないです。海外の配送業者って精密機器だろうがなんだろうが平気でぶん投げたりしますし。
幸運にも、これまで3回の買い物で商品破損は経験していませんが、毎回ダンボールはボコボコでした。配送事故・不良品にあたった場合は早めに公式サポートと連絡を取りましょう。
税関に引っかかった
今回GAMO2で買い物をして初めて税関に引っかかり、消費税・地方消費税と通関料で2,300円ほど支払いました。
税関で引っかかると、購入者宛に通知のはがきが届きます。内容はざっくりいうと「中身の金額がわからないので明細などを送ってください」という感じです。
送らないと1ヶ月ほどで荷物が返却されてしまうそうなので、通知が到着次第対応しましょう。
税関についてはGAMO2公式のショッピングガイドにも記載があります。
まとめ
以上、PHOENIX WAN+のレビューでした。旧型フェニワンでもかなり完成されていましたが、アップデートでより使いやすくなった印象です。
今一度、旧型からの変更点をまとめておくと
- ケーブルが着脱式に
- パネル・皿ステッカーのデザインが変更
- オーディオライト部分の金属パーツが錆びにくい素材に
- アクリル下の硬質紙を着脱・交換可能(痛コンが作れる!)
- ターンテーブルの最大感度が上昇(3/288→1/288)
ターンテーブルの最大感度上昇は、正直もともとの感度がかなり高いのであまり恩恵を感じませんでしたが、USB1本で接続できて鍵盤も光るのは個人的にすごくありがたいアップデートです。
自分はやる予定ないですけど、痛コンが作りやすくなったのも◎。
フェニワンに限った話ではないですけど、静音化は集合住宅なら必須かなと思います。静音化については以下の記事で解説しています。
質問コーナー
※記事の内容と関係のない質問・コメントは削除させて頂く場合があります。
※匿名の質問はマシュマロでも受け付けています。ぜひご利用ください。